虚血性心疾患低左心機能例の左室駆出率および左室拡張末期容量からみた術後心機能の評価
虚血性心疾患低左心機能例において術前の左室駆出率 (EF) や左室容積が術後心機能にどのように影響がみられるか, RI心プールシンチ上EF31~39%の42例 (Group I) とEF30%以下の27例 (Group II) について心機能の比較を行った. 術後心機能指標としてRI心プールシンチ上左室駆出率 (EF), 最大駆出速度 (PER), 最大充満速度 (PFR), 拡張早期最大充満速度 (1/3PFR) などを検討した. 術後心機能に関して Group IではEF, PER, PFR, 1/3PFRともに術前に比較して有意の改善を認めたが, Group IIではEF, PER, P...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 26; no. 5; pp. 285 - 292 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
1997
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.26.285 |
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Summary: | 虚血性心疾患低左心機能例において術前の左室駆出率 (EF) や左室容積が術後心機能にどのように影響がみられるか, RI心プールシンチ上EF31~39%の42例 (Group I) とEF30%以下の27例 (Group II) について心機能の比較を行った. 術後心機能指標としてRI心プールシンチ上左室駆出率 (EF), 最大駆出速度 (PER), 最大充満速度 (PFR), 拡張早期最大充満速度 (1/3PFR) などを検討した. 術後心機能に関して Group IではEF, PER, PFR, 1/3PFRともに術前に比較して有意の改善を認めたが, Group IIではEF, PER, PFRの改善は認められるも1/3PFRの改善が不良であった. 術後心機能を Group I, II群間で比較すると Group II群では明らかに低値であった (EF-Group I: 40±11, Group II: 26±9%, PER-Group I: 261±75, Group II: 164±52%EDV/sec, 1/3 PFR-Group I: 174±74, Group II 114±47%EDV/sec). さらに Group II群をEDVI 140ml/m2以上の7例と, それ以下の20例で比較すると明らかにEDVI 140ml/m2以上の例では術後心機能および左室局所壁運動が不良であったが, 術前狭心症を有する例では臨床症状の改善が得られた. EDVI 200ml/m2を超えるような左室容積増大例では術後不整脈発生に対する管理が重要と考えられた. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.26.285 |