共分散構造分析を用いた食品産業と消費者における信頼形成モデルの構築

近年, 企業の社会的問題・事件 (いわゆる不祥事事件) が相次ぎ, 企業の社会的責任ならびに消費者との信頼形成が強く求められるようになった. そこで本研究では, 食品産業の社会的問題・事件からの事例研究に基づいた質問紙調査を実施し, 共分散構造分析を用いて, 食品産業を代表とした企業と消費者における信頼形成の因果的構造をモデルとして構築した. その結果, 信頼形成には, 企業内のシステムの健全性を高めることが第一であることを示した. そして, そのための具体的手段は, 信頼の失墜を防止する際と信頼の回復を促進する際では異なっていることが明らかとなった. また, 企業の提供する商品に問題があった...

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Published in環境システム研究論文集 Vol. 34; pp. 387 - 393
Main Authors 渡邉, 雅士, 松井, 三郎, 内海, 秀樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 土木学会 2006
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Summary:近年, 企業の社会的問題・事件 (いわゆる不祥事事件) が相次ぎ, 企業の社会的責任ならびに消費者との信頼形成が強く求められるようになった. そこで本研究では, 食品産業の社会的問題・事件からの事例研究に基づいた質問紙調査を実施し, 共分散構造分析を用いて, 食品産業を代表とした企業と消費者における信頼形成の因果的構造をモデルとして構築した. その結果, 信頼形成には, 企業内のシステムの健全性を高めることが第一であることを示した. そして, そのための具体的手段は, 信頼の失墜を防止する際と信頼の回復を促進する際では異なっていることが明らかとなった. また, 企業の提供する商品に問題があった場合と企業が地域環境汚染を起こした場合との間に, 消費者の認識の相違を発見できた.
ISSN:1345-9597
1884-8125
DOI:10.2208/proer.34.387