コンピュータ補聴器の開発
高度の感音性難聴者は、音声の識別に際し、子音部分の欠落や子音間の異聴を起こしやすい。単音節の子音部分の強調加工が高度感音性難聴者やコクレオインプラント患者の子音識別能の改善に非常に効果的な方法であることを聴覚心理検査で確認し、その一部はすでに報告した。さらに、この原理を実際の補聴器に応用したSpeech processing Hearing aidを開発した。このシステムでは音声が入力すると、その波形をメモリーに蓄積すると同時にフィルタバンクによって音声のスペクトルエンベロープを取り込み、単音節又は単語の先頭子音の認識、子音一母音間の境界の判定を行う。次に各単音節ごとに登録された難聴者ごとの最...
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Published in | 人工臓器 Vol. 13; no. 3; pp. 1127 - 1130 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1984
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Summary: | 高度の感音性難聴者は、音声の識別に際し、子音部分の欠落や子音間の異聴を起こしやすい。単音節の子音部分の強調加工が高度感音性難聴者やコクレオインプラント患者の子音識別能の改善に非常に効果的な方法であることを聴覚心理検査で確認し、その一部はすでに報告した。さらに、この原理を実際の補聴器に応用したSpeech processing Hearing aidを開発した。このシステムでは音声が入力すると、その波形をメモリーに蓄積すると同時にフィルタバンクによって音声のスペクトルエンベロープを取り込み、単音節又は単語の先頭子音の認識、子音一母音間の境界の判定を行う。次に各単音節ごとに登録された難聴者ごとの最適加工法に基づき、メモリー内の子音部分のみ強調加工を行い、後続母音又は後続単語の語頭子音を除く部分と再合成し、出力する。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.13.1127 |