九州地方における地球温暖化による高潮浸水リスクの変化

温暖化によってもたらされる海面上昇と台風の強大化は, わが国沿岸に高潮による浸水リスクの増大をもたらす. そのため, 海面が上昇し, 台風が強まることによって高潮が大きくなった場合, それらの程度に応じ浸水面積や浸水人口がどれだけ変化するかを九州を対象に見積もった. 見積もりは, 地形と堤防・護岸を持つモデル空間を作成し, そこに潮位の変化を与え, 越流と浸水の計算を行うことによって行った. 多数の条件での見積の結果を整理することにより, ある海面上昇量で, 高潮がある割合で大きくなったとき, 浸水面積や浸水人口がどれだけになるかを定量的に評価した. その結果, 浸水面積, 浸水人口はともに海...

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Published in地球環境シンポジウム講演論文集 Vol. 16; pp. 105 - 110
Main Author 鈴木, 武
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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Summary:温暖化によってもたらされる海面上昇と台風の強大化は, わが国沿岸に高潮による浸水リスクの増大をもたらす. そのため, 海面が上昇し, 台風が強まることによって高潮が大きくなった場合, それらの程度に応じ浸水面積や浸水人口がどれだけ変化するかを九州を対象に見積もった. 見積もりは, 地形と堤防・護岸を持つモデル空間を作成し, そこに潮位の変化を与え, 越流と浸水の計算を行うことによって行った. 多数の条件での見積の結果を整理することにより, ある海面上昇量で, 高潮がある割合で大きくなったとき, 浸水面積や浸水人口がどれだけになるかを定量的に評価した. その結果, 浸水面積, 浸水人口はともに海面上昇量や高潮増大率の増加に対して直線的に増加することが分かった. また, 九州では九州北西部, 北九州, 周防灘, 別府湾, 宮崎県南部, 薩摩半島に高潮に対して脆弱な地域があることが分かった.
ISSN:1884-8419
DOI:10.2208/proge.16.105