C型慢性肝炎男性患者におけるインターフェロン投与の血清性ホルモンにおよぼす影響

インターフェロン (IFN) 投与の性ホルモンに対する影響を検討するため, C型慢性活動性肝炎の男性24例にインターフェロンα (IFNα) を2週連日+10-20週間歇投与し, 投与前後の血清性ホルモンの変動について検討した. 血清黄体化ホルモン (LH) 濃度は間歇投与終了時から終了3カ月後にかけ有意な低下が見られた. 血清テストステロン, エストラジオールは, 2週間の連日投与終了時に有意な低下が見られ, その後は回復傾向を示した. 血清遊離テストステロン, 総コレステロール濃度は2週間の連日投与後に有意な低下を示し, その後ほぼ前値に復した. 血清卵胞刺激ホルモン (FSH), プロゲ...

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Published in肝臓 Vol. 38; no. 4; pp. 207 - 212
Main Authors 武藤, 俊哉, 福井, 祥二, 岩渕, 省吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1997
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.38.207

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Summary:インターフェロン (IFN) 投与の性ホルモンに対する影響を検討するため, C型慢性活動性肝炎の男性24例にインターフェロンα (IFNα) を2週連日+10-20週間歇投与し, 投与前後の血清性ホルモンの変動について検討した. 血清黄体化ホルモン (LH) 濃度は間歇投与終了時から終了3カ月後にかけ有意な低下が見られた. 血清テストステロン, エストラジオールは, 2週間の連日投与終了時に有意な低下が見られ, その後は回復傾向を示した. 血清遊離テストステロン, 総コレステロール濃度は2週間の連日投与後に有意な低下を示し, その後ほぼ前値に復した. 血清卵胞刺激ホルモン (FSH), プロゲステロン濃度には有意な変動は見られなかった. 通常行われているIFN療法において, 精巣および下垂体前葉に対する影響が示唆され, このホルモンの不均衡が性機能障害の原因となり得ると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.38.207