いわゆる代用血液Fluosol-DAの心筋保護効果に関する実験的検討

酸素運搬能を有するFluosol-DAの心筋保護液としての効果をみる為, 動物実験にて心機能の面から, 電解質液との比較検討を行った. 心筋保護液として, 冷却電解質液(C群)7頭と冷却Fluosol-DA液(F群)7頭で, 完全体外循環下(以下ECC)に60分間の大動脈遮断を行った. この間, 各群の心筋保護液50mlを20分間隔で計4回大動脈基部より注入し, 局所冷却を併用した. ECC直前と離脱直後に大動脈平均圧(MS AP), LV max dp/at, 心係数(C. I.), 拍出係数(SVI), 左室仕事係数(LVSWI)及び送血回路からの容量負荷による左室機能曲線を求めた. EC...

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Published in人工臓器 Vol. 13; no. 3; pp. 1267 - 1270
Main Authors 池内, 克彦, 永田, 昌久, 近藤, 三隆, 中井, 堯雄, 土岡, 弘通, 加藤, 真司, 倉橋, 忠司, 早瀬, 弘之, 小林, 正治, 北川, 茂久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.1267

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Summary:酸素運搬能を有するFluosol-DAの心筋保護液としての効果をみる為, 動物実験にて心機能の面から, 電解質液との比較検討を行った. 心筋保護液として, 冷却電解質液(C群)7頭と冷却Fluosol-DA液(F群)7頭で, 完全体外循環下(以下ECC)に60分間の大動脈遮断を行った. この間, 各群の心筋保護液50mlを20分間隔で計4回大動脈基部より注入し, 局所冷却を併用した. ECC直前と離脱直後に大動脈平均圧(MS AP), LV max dp/at, 心係数(C. I.), 拍出係数(SVI), 左室仕事係数(LVSWI)及び送血回路からの容量負荷による左室機能曲線を求めた. ECC直後MSAP, CI, SVI, LVSWIは両群共低下傾向を認めたが, 回復率ではF群がC群に比し有意に高値であった. 左室機能曲線では, F群で良好な左室機能を示したのに対し, C群ではECC前と較べ機能低下がみられた.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.1267