Billroth II法再建後の十二指腸に発生したGISTの1例

症例は57歳,男性.十二指腸潰瘍穿孔にて, Billroth II法再建による胃切除術の既往歴あり.タール便,労作時息切れ,全身浮腫を主訴に当院を受診し,上部消化管内視鏡,十二指腸造影にて,十二指腸下行部から水平部にかけて山田III型様の立ち上がりを示す2型腫瘍様の病変を認め,腹部CTにて上腸間膜動脈リンパ節転移,肝転移を認めた. Billroth II法再建後の十二指腸に発生した非上皮性腫瘍の診断で開腹すると,十二指腸下行部から水平部に手拳大の腫瘍が存在しており,上腸間膜動脈リンパ節転移と一塊となって上腸間膜動静脈へ浸潤しており試験開腹術に終わった.サンプリングしたリンパ節での免疫組織染色に...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 2; pp. 388 - 392
Main Authors 児山, 新, 又吉, 一仁, 押部, 郁朗, 江尻, 友三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 2005
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Summary:症例は57歳,男性.十二指腸潰瘍穿孔にて, Billroth II法再建による胃切除術の既往歴あり.タール便,労作時息切れ,全身浮腫を主訴に当院を受診し,上部消化管内視鏡,十二指腸造影にて,十二指腸下行部から水平部にかけて山田III型様の立ち上がりを示す2型腫瘍様の病変を認め,腹部CTにて上腸間膜動脈リンパ節転移,肝転移を認めた. Billroth II法再建後の十二指腸に発生した非上皮性腫瘍の診断で開腹すると,十二指腸下行部から水平部に手拳大の腫瘍が存在しており,上腸間膜動脈リンパ節転移と一塊となって上腸間膜動静脈へ浸潤しており試験開腹術に終わった.サンプリングしたリンパ節での免疫組織染色にてGIST (smooth muscle type)と診断された. GISTは,胃,小腸に発生することは多いが十二指腸では少ない.今回,われわれはBillroth II法再建後の十二指腸に発生したGISTの1例を経験したので貴重な症例と考え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.388