術後10年でリンパ節再発をきたしたstage IV結腸粘液癌の1例
症例は79歳男性. 1992年8月上行結腸癌に対し右半結腸切除を施行した.病理組織診断は粘液癌であった. 術後,経口抗癌剤を1年間内服し外来経過観察を継続していた. 2002年11月下痢,体重減少を認め来院し,血液生化学検査でCEAの急激な上昇がみられた.内視鏡上は明らかな再発,原発巣の所見なく,胸腹部CTで胸腔内および腹腔内リンパ節の腫大を認めた.さらに, Virchowリンパ節の腫大があり,吸引下針生検でclass Vと診断された.標本中に腺管形成傾向と粘液産生傾向を認め,結腸癌転移再発と診断した.同年12月より全身化学療法を施行したが,奏効せず癌悪液質で平成15年5月永眠された. 高度進...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 3; pp. 673 - 679 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.66.673 |
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Summary: | 症例は79歳男性. 1992年8月上行結腸癌に対し右半結腸切除を施行した.病理組織診断は粘液癌であった. 術後,経口抗癌剤を1年間内服し外来経過観察を継続していた. 2002年11月下痢,体重減少を認め来院し,血液生化学検査でCEAの急激な上昇がみられた.内視鏡上は明らかな再発,原発巣の所見なく,胸腹部CTで胸腔内および腹腔内リンパ節の腫大を認めた.さらに, Virchowリンパ節の腫大があり,吸引下針生検でclass Vと診断された.標本中に腺管形成傾向と粘液産生傾向を認め,結腸癌転移再発と診断した.同年12月より全身化学療法を施行したが,奏効せず癌悪液質で平成15年5月永眠された. 高度進行大腸癌長期無再発生存後の再発例は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.66.673 |