PM式リーダーシップ論におけるリーダーシップパターン特性の精神生理学的検討 (III)

生産性では明確な条件差は認められなかったが, 生理反応においては明確な条件差が認められた。即ち, P条件は, 被験者の心拍数を増加させ, GSRを増大させるように作用し, M条件は, 心拍数を減少させGSRを増大させるように作用した。また, PM条件は, 被験者の心拍数は変化させないが, GSRを増加させる作用をした。即ち, 受験による神経系の一般的興奮を反映するGSRにおいては, 変化の方向がすべて上昇変化で, 三条件間に差がなかったが, 状況特異的な生理指標であるHRにおいては三条件間に差がみられた。 認知にもとずく, 満足度その他の資料を参考に, J.I. Laceyのenvironme...

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Published in実験社会心理学研究 Vol. 12; no. 1; pp. 11 - 19
Main Authors 河津, 雄介, 三隅, 二不二, 小川, 暢也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本グループ・ダイナミックス学会 1972
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ISSN0387-7973
1348-6276
DOI10.2130/jjesp.12.11

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Summary:生産性では明確な条件差は認められなかったが, 生理反応においては明確な条件差が認められた。即ち, P条件は, 被験者の心拍数を増加させ, GSRを増大させるように作用し, M条件は, 心拍数を減少させGSRを増大させるように作用した。また, PM条件は, 被験者の心拍数は変化させないが, GSRを増加させる作用をした。即ち, 受験による神経系の一般的興奮を反映するGSRにおいては, 変化の方向がすべて上昇変化で, 三条件間に差がなかったが, 状況特異的な生理指標であるHRにおいては三条件間に差がみられた。 認知にもとずく, 満足度その他の資料を参考に, J.I. Laceyのenvironmental inake-rejection概念にもとずいて, 考察が加えられた。即ち, PM型監督行動による刺激状況とLaceyらのいうenvironmental intake-rejection刺激状況との間に, 生理反応パターンを媒介として, 状況特性に関する一定の対応関係がみいだされた。
ISSN:0387-7973
1348-6276
DOI:10.2130/jjesp.12.11