回腸および右付属器に浸潤し下血をきたした虫垂癌の1例

症例は51歳女性. 1999年7月頃より右下腹部に違相感を自覚. 2000年2月より黒色便認め, 当院受診. 来院時右下腹部に手拳大の腫瘤を触知した. 大腸内視鏡検査にて上行結腸内に血液の貯留を認めるも腫瘍は認められず, 小腸出血の疑いで入院となった. CTおよびMRIで骨盤内腫瘍を認め, 子宮に接しているため付属器由来の腫瘍の小腸浸潤, 虫垂腫瘍または小腸腫瘍を考え, 4月5日手術を施行した. 腫瘍は盲腸下端に認め, 回腸末端を巻き込み一塊となり, 右卵巣, 子宮に浸潤していたため, 回盲部切除, 子宮全摘および両側付属器切除術を施行した. 病理組織学的には虫垂粘液嚢胞腺癌であり, 下血の原...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 695 - 698
Main Authors 鈴木, 徹也, 佐々木, 森雄, 片見, 厚夫, 龍, 美佐, 朝蔭, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2003
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.23.695

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Summary:症例は51歳女性. 1999年7月頃より右下腹部に違相感を自覚. 2000年2月より黒色便認め, 当院受診. 来院時右下腹部に手拳大の腫瘤を触知した. 大腸内視鏡検査にて上行結腸内に血液の貯留を認めるも腫瘍は認められず, 小腸出血の疑いで入院となった. CTおよびMRIで骨盤内腫瘍を認め, 子宮に接しているため付属器由来の腫瘍の小腸浸潤, 虫垂腫瘍または小腸腫瘍を考え, 4月5日手術を施行した. 腫瘍は盲腸下端に認め, 回腸末端を巻き込み一塊となり, 右卵巣, 子宮に浸潤していたため, 回盲部切除, 子宮全摘および両側付属器切除術を施行した. 病理組織学的には虫垂粘液嚢胞腺癌であり, 下血の原因は虫垂癌の回腸浸潤によるものと考えられた.
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.23.695