小児の慢性特発性血小板減少性紫斑病における各種免疫学的パラメーターの検討

小児の慢性特発性血小板減少性紫斑病(c-ITP) 38例の液性免疫ならびに細胞性免疫能について検討した.非脾摘群ではCD 3, CD 8比率がcontrolに比し有意に低く,脾摘群ではCD 4比率, CD 4/8比がcontrolに比べて有意に低かった. T-cellの百分率はcontrol群に比べ,有意差はなかった.しかし, B-cellの百分率は非脾摘群でcontrolに比べ有意に上昇していた. T-cellのblastogenesisをstimulation indexでみるとPHA刺激では脾摘群も非脾摘群もcontrol群と有意差はないが, Con-A刺激では非脾摘群においてcontr...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 17; no. 3; pp. 152 - 163
Main Authors 伊従, 秀章, 藤沢, 康司, 赤塚, 順一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床免疫学会 1994
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Summary:小児の慢性特発性血小板減少性紫斑病(c-ITP) 38例の液性免疫ならびに細胞性免疫能について検討した.非脾摘群ではCD 3, CD 8比率がcontrolに比し有意に低く,脾摘群ではCD 4比率, CD 4/8比がcontrolに比べて有意に低かった. T-cellの百分率はcontrol群に比べ,有意差はなかった.しかし, B-cellの百分率は非脾摘群でcontrolに比べ有意に上昇していた. T-cellのblastogenesisをstimulation indexでみるとPHA刺激では脾摘群も非脾摘群もcontrol群と有意差はないが, Con-A刺激では非脾摘群においてcontrolに比べ,有意に低下していた.自己抗体では,抗DNA抗体は検索した34例全例で陰性であったが,抗核抗体は33例中8例が陽性, 2例が偽陽性であった.これらは,症例数もまだ少なく,絶対的なc-ITPの免疫学的変化を示すものではないと思われるが,従来の成人c-ITPの報告と異なり, B-cellに異常がある可能性も示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.17.152