嚥下までの咀嚼回数に及ぼす摂取食品の大きさの影響

人の嚥下閾 (嚥下までの咀嚼回数) を規定する要因について調べるために, 同じ物性を持つ嚥下可能な2種のゼラチン試料 (粉砕試料, 固形試料) を5名の被験者に咀嚼させ, 咀嚼時の咬筋から筋電図を導出して, 嚥下までの咀嚼回数及び咬筋筋活動量について比較した. その結果, 粉砕試料, あるいは粉砕試料が含まれた試料を咀嚼した場合の方が固形試料咀嚼に比べて, 同一量咀嚼させたのにも係わらず, いずれの被験者でも嚥下が早期に誘発され, 咀嚼回数は有意に減少し, またこれに伴い筋活動量も減少した. これらの結果から, 人の嚥下閾には咀嚼された食品の粉砕度が深く係わっていることが示唆された....

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Published in日本咀嚼学会雑誌 Vol. 1; no. 1; pp. 39 - 44
Main Authors 塩沢, 光一, 柳沢, 慧二, 坂西, 秀樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本咀嚼学会 1991
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ISSN0917-8090
1884-4448
DOI10.14858/soshaku1991.1.39

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Summary:人の嚥下閾 (嚥下までの咀嚼回数) を規定する要因について調べるために, 同じ物性を持つ嚥下可能な2種のゼラチン試料 (粉砕試料, 固形試料) を5名の被験者に咀嚼させ, 咀嚼時の咬筋から筋電図を導出して, 嚥下までの咀嚼回数及び咬筋筋活動量について比較した. その結果, 粉砕試料, あるいは粉砕試料が含まれた試料を咀嚼した場合の方が固形試料咀嚼に比べて, 同一量咀嚼させたのにも係わらず, いずれの被験者でも嚥下が早期に誘発され, 咀嚼回数は有意に減少し, またこれに伴い筋活動量も減少した. これらの結果から, 人の嚥下閾には咀嚼された食品の粉砕度が深く係わっていることが示唆された.
ISSN:0917-8090
1884-4448
DOI:10.14858/soshaku1991.1.39