在宅後期高齢者の転倒予防に向けたフットケアに関する基礎的研究 足部の形態・機能と転倒経験および立位バランスとの関連

転倒予防に向けたフットケアのニーズを探索するため,要支援、要介護1の在宅後期高齢者95人を対象に足部の形態・機能,転倒経験および立位バランスを調査した。足部の形態のうち形の異常は4割,皮膚や爪部の異常は7割以上に観察された。足部の機能のうち感覚機能は6割以上に触圧覚,振動覚,二点識別覚の異常が,循環機能においても6割に血流異常を認めた。また,疼痛や倦怠感等足部の変調を自覚する者は,91.6%と高率であった。転倒しそうになった経験には冷え・倦怠感・足がつるという変調の自覚、外反母趾・胼胝の有無が,転倒した経験には疼痛の自覚,胼胝・皮膚剥離の有無が関連していた。立位バランスを示す重心動揺は,掻痒感...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 27; no. 4; pp. 4_75 - 4_84
Main Authors 姫野, 稔子, 三重野, 英子, 末弘, 理惠, 桶田, 俊光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.09.2004
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Summary:転倒予防に向けたフットケアのニーズを探索するため,要支援、要介護1の在宅後期高齢者95人を対象に足部の形態・機能,転倒経験および立位バランスを調査した。足部の形態のうち形の異常は4割,皮膚や爪部の異常は7割以上に観察された。足部の機能のうち感覚機能は6割以上に触圧覚,振動覚,二点識別覚の異常が,循環機能においても6割に血流異常を認めた。また,疼痛や倦怠感等足部の変調を自覚する者は,91.6%と高率であった。転倒しそうになった経験には冷え・倦怠感・足がつるという変調の自覚、外反母趾・胼胝の有無が,転倒した経験には疼痛の自覚,胼胝・皮膚剥離の有無が関連していた。立位バランスを示す重心動揺は,掻痒感の自覚、皮膚剥離,触圧覚異常がある者が有意に高値であった。足部の形態・機能の異常と転倒,立位バランス低下の関連が認められたことから,フットケアは転倒予防のケアとして重要になりうることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20040512007