慢性腰痛の疼痛管理─リハビリテーションの視点で
「はじめに」「12週間以上持続する腰痛」を慢性腰痛という. 多くの場合, 慢性腰痛とは疼痛に対する治療が奏功せずに慢性化した状態である. ゆえに, 疼痛を一気に解決するような効果的な治療法が存在しないことが多い. また, 腰痛のための安静や活動制限が持続すると廃用性に体幹や全身の機能が低下する. この結果, 日常生活や職業などの社会参加が障害されることになる. そこで本稿においては体幹の機能を改善し, 社会復帰を目指すというリハビリテーションの流れで慢性腰痛の疼痛管理を文献的に考察する. I.腰椎の生理 腰椎のバイオメカニクスについて述べる. 立位の際には腰椎に対し上半身の体重がかかるため,...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 23 - 26 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
2004
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-9074 1882-1863 |
DOI | 10.3753/yotsu.10.23 |
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Summary: | 「はじめに」「12週間以上持続する腰痛」を慢性腰痛という. 多くの場合, 慢性腰痛とは疼痛に対する治療が奏功せずに慢性化した状態である. ゆえに, 疼痛を一気に解決するような効果的な治療法が存在しないことが多い. また, 腰痛のための安静や活動制限が持続すると廃用性に体幹や全身の機能が低下する. この結果, 日常生活や職業などの社会参加が障害されることになる. そこで本稿においては体幹の機能を改善し, 社会復帰を目指すというリハビリテーションの流れで慢性腰痛の疼痛管理を文献的に考察する. I.腰椎の生理 腰椎のバイオメカニクスについて述べる. 立位の際には腰椎に対し上半身の体重がかかるため, この力に耐えうるように腰椎は強固な構造を持っている. 上肢で重量物を挙上する際にはさらに大きな力が加わることになる. また, さまざまな動作に際して可動性も要求される. 腰椎には生理的な前弯があり, このため直立位では下位腰椎において上位椎骨がすぐ下の椎骨に対し前方に滑るように剪断力がかかることになる. |
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ISSN: | 1345-9074 1882-1863 |
DOI: | 10.3753/yotsu.10.23 |