石鹸清拭の効果的な方法に関する検討 石鹸の泡立てによる石鹸成分の除去効果について

本研究は石鹸の泡立てが石鹸成分の除去効果に与える影響を実験的に明らかにすることを目的とした。 研究参加に同意の得られた19歳~28歳までの健康成人60名を対象とした。 0.8gの固形石鹸を削り,実験群はウォッシュクロスに付着後よく泡立てて,一方,対照群は泡立てないで使用した。 清拭部位は利き手前腕内側とし,皮膚表面 pH,皮膚表面温度ともに,清拭前,石鹸清拭直後,拭取1回目,拭取2回目,拭取3回目,拭取4回目,60分後の7回測定した。  その結果,皮膚pHの変化パターンには差が認められなかった。 拭取り回数を比較した場合,石鹸を泡立てた場合は4回の拭取りで清拭前に戻っていたが,泡立てなかった場...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 26; no. 5; pp. 5_169 - 5_178
Main Authors 深田, 美香, 高橋, 弥生, 松田, 明子, 南前, 恵子, 宮脇, 美保子, 内田, 宏美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2003
Subjects
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20030809012

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Summary:本研究は石鹸の泡立てが石鹸成分の除去効果に与える影響を実験的に明らかにすることを目的とした。 研究参加に同意の得られた19歳~28歳までの健康成人60名を対象とした。 0.8gの固形石鹸を削り,実験群はウォッシュクロスに付着後よく泡立てて,一方,対照群は泡立てないで使用した。 清拭部位は利き手前腕内側とし,皮膚表面 pH,皮膚表面温度ともに,清拭前,石鹸清拭直後,拭取1回目,拭取2回目,拭取3回目,拭取4回目,60分後の7回測定した。  その結果,皮膚pHの変化パターンには差が認められなかった。 拭取り回数を比較した場合,石鹸を泡立てた場合は4回の拭取りで清拭前に戻っていたが,泡立てなかった場合は4回拭取り後も清拭前の pH に戻っていなかった。 石鹸を泡立てて使用することにより拭取り回数を少なくすることができ,皮膚への物理的刺激および石鹸成分のアルカリ刺激を最小限に押さえることが可能になる。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20030809012