看護学生の対応行動に関する研究 投影的方法を用いた分析

本研究の目的は看護学生と教育系学生の対応行動の差異について明らかにすることである。対象はH大学の学生のうち看護学生150名,教育系学生212名である。P-F study様式の投影的方法を用い,対象者との頻度の高い対応場面(17場面)を設定し,被験者にはそれぞれの対応行動について回答を求めた。回答はレベル0からレベル4までの5段階で評定した。対応行動得点は17場面の合計得点とした。対応行動と情動的共感性の関連を把握するために,情動的共感性尺度を用いた。看護学生,教育系学生共にレベル2の不十分または役割的応答が最も高率であったことから,対象者の感情と多少のズレがあり,部分的に理解した対応をしていた...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 1_83 - 1_89
Main Authors 小倉, 能理子, 齋藤, 久美子, 花田, 久美子, 西沢, 義子, 齋藤, 美紀子, 花屋, 道子, 工藤, せい子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.04.2005
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20041022006

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は看護学生と教育系学生の対応行動の差異について明らかにすることである。対象はH大学の学生のうち看護学生150名,教育系学生212名である。P-F study様式の投影的方法を用い,対象者との頻度の高い対応場面(17場面)を設定し,被験者にはそれぞれの対応行動について回答を求めた。回答はレベル0からレベル4までの5段階で評定した。対応行動得点は17場面の合計得点とした。対応行動と情動的共感性の関連を把握するために,情動的共感性尺度を用いた。看護学生,教育系学生共にレベル2の不十分または役割的応答が最も高率であったことから,対象者の感情と多少のズレがあり,部分的に理解した対応をしていた。看護学生はレベル3・4の統制された応答や援助をさらに促進する応答が教育系学生より高率であった。また,教育系学生よりも対応行動得点が高かった。看護学生の情動的共感性得点は教育系学生よりも高いが,情動的共感性は対応行動に十分反映されていなかった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20041022006