骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺に対するrigid instrumentationを用いない後方除圧椎体間固定例の検討

骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺に対して強固なinstrumentを用いずに後方除圧椎体間固定を行った.症例は女性6例で,平均年齢76(69∼86)歳,経過観察期間25(7∼57)カ月,骨折部位はL2が2例,T12・L1・L4・L5が各1例であった.手術方法は,後方進入で脊柱管内に突出した椎体後縁を切除し,椎間板および軟骨板を切除,得られた棘突起と椎弓を椎体間に移植した.関節リウマチの1例は腸骨片を移植した.5例にはinstrumentは用いず,1例に棘突起wiringを追加した.後療法は1週間以内に歩行を許可し,術後約4カ月間コルセットによる外固定を行った.術後全例に部分的な症状の改善が...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 120 - 125
Main Authors 佐藤, 公昭, 安藤, 則行, 永田, 見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2002
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Summary:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺に対して強固なinstrumentを用いずに後方除圧椎体間固定を行った.症例は女性6例で,平均年齢76(69∼86)歳,経過観察期間25(7∼57)カ月,骨折部位はL2が2例,T12・L1・L4・L5が各1例であった.手術方法は,後方進入で脊柱管内に突出した椎体後縁を切除し,椎間板および軟骨板を切除,得られた棘突起と椎弓を椎体間に移植した.関節リウマチの1例は腸骨片を移植した.5例にはinstrumentは用いず,1例に棘突起wiringを追加した.後療法は1週間以内に歩行を許可し,術後約4カ月間コルセットによる外固定を行った.術後全例に部分的な症状の改善が得られ,屋内でのADLは自立していた.本法は,instrumentに起因する合併症がなく,活動性の低下した高齢者に対して症例を選べば選択肢の1つとなり得る手術方法と考えられる.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.8.120