タイプ別にみた妊婦の冷え症と日常生活および微弱陣痛との関連
妊娠36週以降の妊婦の冷え症のタイプを明らかにした上で,冷え症のタイプと日常生活行動との関連,微弱陣痛・遷延分娩との関連を明らかにすることを目的として,妊娠36週以降の妊婦600名に調査を行った。479名を分析対象とし,うち211名については診療記録から分娩経過も調査した。冷え症の妊婦は148名(30.9%)で,そのうち48.0%が四肢末端型冷え症を自覚していた。冷え症のタイプと日常生活行動との関連をロジスティック回帰分析した結果,冷え症に比べて,四肢末端型冷え症では根菜類の野菜をよく食べること(オッズ比0.48,p=0.03)や,赤身の肉の摂取(オッズ比0.48,p=0.025),朝食の欠食...
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Published in | 日本健康医学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 26 - 34 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康医学会
28.04.2025
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Subjects | |
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ISSN | 1343-0025 2423-9828 |
DOI | 10.20685/kenkouigaku.34.1_26 |
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Summary: | 妊娠36週以降の妊婦の冷え症のタイプを明らかにした上で,冷え症のタイプと日常生活行動との関連,微弱陣痛・遷延分娩との関連を明らかにすることを目的として,妊娠36週以降の妊婦600名に調査を行った。479名を分析対象とし,うち211名については診療記録から分娩経過も調査した。冷え症の妊婦は148名(30.9%)で,そのうち48.0%が四肢末端型冷え症を自覚していた。冷え症のタイプと日常生活行動との関連をロジスティック回帰分析した結果,冷え症に比べて,四肢末端型冷え症では根菜類の野菜をよく食べること(オッズ比0.48,p=0.03)や,赤身の肉の摂取(オッズ比0.48,p=0.025),朝食の欠食(オッズ比2.17,p=0.023),不規則な生活(オッズ比4.33,p=0.037)との関連がみられ,産熱量が低下する生活が影響していることが考えられた。全身・内臓型冷え症では,冷え症と比べて夕食の欠食(オッズ比8.73,p=0.015)や,ストレスが多い(オッズ比4.03,p=0.009)との関連がみられ,妊娠による子宮の増大やホルモンの変化による便秘や胃部圧迫感といった消化器症状やストレスの関連が示唆された。妊娠36週以降の冷え症と微弱陣痛・遷延分娩について関連はみられなかった。妊婦の日常生活行動と冷え症,冷え症と分娩経過の関連について,対象者数や交絡因子,非妊時の日常生活行動も含め今後さらに研究を重ねる必要がある。 |
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ISSN: | 1343-0025 2423-9828 |
DOI: | 10.20685/kenkouigaku.34.1_26 |