CALLA陽性の骨原発性悪性リンパ腫の小児例

左上腕骨に原発し, 右上腕骨と左大腿骨に転移の認められた骨原発性悪性リンパ腫の1小児例を報告する.症例は5歳の女児で, 左上腕の膨隆を主訴として来院した.末稍血と骨髄には異常細胞の出現は認められなかった.骨X線で左上腕骨に, 多発性の骨融解像と骨膜反応を認めた.この部位の生検組織像と表面マーカーの分析から, いわゆるcommon ALL型のフェノタイプの骨原発性悪性リンパ腫と診断した.また, 骨X線像で病変の存在が疑われた右上腕骨と左大腿骨の生検組織からも同様な所見が得られた.患児は発症48ヵ月経過しているが, 再発は認められない....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 4; no. 2; pp. 172 - 177
Main Authors 恒松, 由記子, 熊谷, 昌明, 小出, 亮, 高橋, 弘剛, 藤本, 純一郎, 平林, 万紀子, 佐々木, 道子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1990
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.4.172

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Summary:左上腕骨に原発し, 右上腕骨と左大腿骨に転移の認められた骨原発性悪性リンパ腫の1小児例を報告する.症例は5歳の女児で, 左上腕の膨隆を主訴として来院した.末稍血と骨髄には異常細胞の出現は認められなかった.骨X線で左上腕骨に, 多発性の骨融解像と骨膜反応を認めた.この部位の生検組織像と表面マーカーの分析から, いわゆるcommon ALL型のフェノタイプの骨原発性悪性リンパ腫と診断した.また, 骨X線像で病変の存在が疑われた右上腕骨と左大腿骨の生検組織からも同様な所見が得られた.患児は発症48ヵ月経過しているが, 再発は認められない.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.4.172