血小板減少を伴った自己免疫性好中球減少症の一乳児例

血小板減少を伴った自己免疫性好中球減少症の一乳児例を報告した.症例は5ヵ月男児で, 全身の点状出血を主訴として来院した.末稍血検査所見では白血球i数6,000/μlで, 好中球の著明な減少があり, 血小板数も2,000/μlと著減していた.骨髄検査では, 有核細胞数16.9×104/μl, 巨核球数90/μlであった.しかし, 血小板の付着した巨核球はみられず, 好中球分葉核球は減少していた.また, 中毒顆粒が豊富であった.免疫学的にはPA-IgG, NB-IgGが陽性であった.自己免疫性好中球減少症および血小板減少症と診断しプレドニゾロンと非修飾型γ-グロブリンで治療した.血小板数は治療開始...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 4; no. 2; pp. 187 - 191
Main Authors 古川, 利温, 大和田, 葉子, 江口, 光興, 小澤, 武史, 杉田, 憲一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1990
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.4.187

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Summary:血小板減少を伴った自己免疫性好中球減少症の一乳児例を報告した.症例は5ヵ月男児で, 全身の点状出血を主訴として来院した.末稍血検査所見では白血球i数6,000/μlで, 好中球の著明な減少があり, 血小板数も2,000/μlと著減していた.骨髄検査では, 有核細胞数16.9×104/μl, 巨核球数90/μlであった.しかし, 血小板の付着した巨核球はみられず, 好中球分葉核球は減少していた.また, 中毒顆粒が豊富であった.免疫学的にはPA-IgG, NB-IgGが陽性であった.自己免疫性好中球減少症および血小板減少症と診断しプレドニゾロンと非修飾型γ-グロブリンで治療した.血小板数は治療開始早期より増加したが, 好中球数は20日後になり増加を認め3ヵ月後退院した.しかし, その後も出血傾向および感染を繰り返し治療の必要な状態が続いている.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.4.187