家兎のベンゼン中毒の回復に及ぼすトルエンの影響について

成熟雄性家兎20羽を5羽ずつの4群にわけ,第I群と第II群には,ベンゼンとオリーブ油の等容量混合液を0.5ml/kgずつ隔日に週3回2週間にわたり皮下注射し,第III群と第IV群には,この期間中同量のオリーブ油のみを同様に注射し,第3週からは,第II群と第III群には,トルエンとオリーブ油の等容量混合液を0.5ml/kgずつ隔日に週3回4週にわたり皮下注射し,この期間中,第I群と第IV群には,同量のオリーブ油のみを注射し,ベンゼン投与による血液所見の変化の〓復に対するトルエン投与の影響を観察した。 1) ベンゼン投与によって,赤血球減少,平均赤血球容積増大,血色素量低下,白血球数減少,血漿蛋白...

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Published in産業医学 Vol. 3; no. 6; pp. 336 - 342
Main Author 浦田, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本産業衛生学会 1961
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ISSN0047-1879
1881-1302
DOI10.1539/joh1959.3.336

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Summary:成熟雄性家兎20羽を5羽ずつの4群にわけ,第I群と第II群には,ベンゼンとオリーブ油の等容量混合液を0.5ml/kgずつ隔日に週3回2週間にわたり皮下注射し,第III群と第IV群には,この期間中同量のオリーブ油のみを同様に注射し,第3週からは,第II群と第III群には,トルエンとオリーブ油の等容量混合液を0.5ml/kgずつ隔日に週3回4週にわたり皮下注射し,この期間中,第I群と第IV群には,同量のオリーブ油のみを注射し,ベンゼン投与による血液所見の変化の〓復に対するトルエン投与の影響を観察した。 1) ベンゼン投与によって,赤血球減少,平均赤血球容積増大,血色素量低下,白血球数減少,血漿蛋白量低下をおこした。 2) トルエン単独注射では,白血球数の増加以外には変化を認めえなかった。 3) ベンゼン投与による血液の変化は,投与中止後4週後までの観察では,若干の〓復が認められたにすぎなかった。 4) このベンゼン中毒の〓復過程に対して,トルエン投与は,特記すべき影響を与えなかった。
ISSN:0047-1879
1881-1302
DOI:10.1539/joh1959.3.336