小児急性白血病細胞CD34発現の臨床的意義に関する研究
急性リンパ性白血病80例および急性骨髄性白血病75例について, 白血病細胞の造血幹細胞関連抗原CD34発現の頻度と臨床意義について検討した.ALLでは71.3%, AMLでは53.3%がCD34抗原が陽性であった.CD34陰性ALL23例とCD34陽性ALL57例について, 他の抗原発現について比較すると, CD34陽性AUでは穎粒球関連抗原であるCDl3とCD33を同時に発現している傾向があった.CD34陰性ALLとCD34陽性ALLの間では臨床特徴について有意な違いは見られなかった.AMLにおけるCD34発現はFAB分類の病型と強い関連性があった.M1, M2の80%がCD34陽性であった...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 27 - 31 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
1994
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.8.27 |
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Summary: | 急性リンパ性白血病80例および急性骨髄性白血病75例について, 白血病細胞の造血幹細胞関連抗原CD34発現の頻度と臨床意義について検討した.ALLでは71.3%, AMLでは53.3%がCD34抗原が陽性であった.CD34陰性ALL23例とCD34陽性ALL57例について, 他の抗原発現について比較すると, CD34陽性AUでは穎粒球関連抗原であるCDl3とCD33を同時に発現している傾向があった.CD34陰性ALLとCD34陽性ALLの間では臨床特徴について有意な違いは見られなかった.AMLにおけるCD34発現はFAB分類の病型と強い関連性があった.M1, M2の80%がCD34陽性であったのに対し, M3, M4およびM5は25.9%のみCD34陽性であった.CD34陽性の骨髄芽球はリンパ球関連抗原であるCD2, CD10やCD19も同時に発現する傾向があった.この研究では, ALLとAMLにおけるCD34発現の予後因子としての意義を認めなかった. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.8.27 |