アミロイド蛋白AAの酵素抗体法による組織内証明

新しいアミロイドの主要蛋白がつぎつぎと明らかとなってきた.そこで,主要蛋白による新しい分類法が試みられている.本論文において,われわれは免疫組織化学的にホルマリン固定パラフィン包埋切片上においてアミロイド線維蛋白の同定を試みた.アミロイドAA蛋白と他の種類のアミロイド蛋白を間接的に区別する有用な方法としてWrightらの過マンガン酸カリアルカリコンゴレッド法があり,この方法に関しても比較検討した.アミロイド蛋白の抗血清のうち抗AA血清を使用し酵素抗体法間接法を用いて行なった.対象として,続発性アミロイドーシス16例, Plasma cell dyscrasia (PCD)に伴うアミロイドーシス...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 5; no. 1; pp. 59 - 65
Main Authors 松本, 純治, 磯部, 敬, 冨田, 誠人, 伊東, 俊夫, 藤田, 拓男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床免疫学会 1982
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Summary:新しいアミロイドの主要蛋白がつぎつぎと明らかとなってきた.そこで,主要蛋白による新しい分類法が試みられている.本論文において,われわれは免疫組織化学的にホルマリン固定パラフィン包埋切片上においてアミロイド線維蛋白の同定を試みた.アミロイドAA蛋白と他の種類のアミロイド蛋白を間接的に区別する有用な方法としてWrightらの過マンガン酸カリアルカリコンゴレッド法があり,この方法に関しても比較検討した.アミロイド蛋白の抗血清のうち抗AA血清を使用し酵素抗体法間接法を用いて行なった.対象として,続発性アミロイドーシス16例, Plasma cell dyscrasia (PCD)に伴うアミロイドーシス27例(primary 16例, myeloma 11例)につき比較検討した.続発性アミロイドーシスの基礎疾患としてRAが69%と最も高頻度を占めた.酵素抗体法に関して続発性アミロイドーシス群ではAA蛋白陽性, PCD群では陰性を示した.過マンガン酸処理後には続発性アミロイドーシス群全例コンゴレッドに感受性を示した. 以上より,抗AA血清を使用した酵素抗体法はアミノ酸分析を行なわなくてもAA蛋白を同定するのに有用な方法である.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.5.59