筋ジストロフィー病棟で働く看護師の経験 患者の入院生活を成り立たせている看護師の関わりに注目して

本稿では、筋ジストロフィー病棟で働く看護師の語りに注目して彼らの経験を記述し、その看護師の経験が、患者たちの生活を如何に成り立たせているのかについて探求する。非構成的面接法によって得られたデータを用いて、現象学の思想を手掛かりに分析し、記述した。その結果、看護師の経験から、「患者たちの生きられた経験から学ぶ」、「患者たちとともに習慣を作る」、「経験を更新して、患者たちの新たな可能性を志向する」、「受動的ケアから生まれる能動的ケア」の4つのテーマが導き出された。その看護師の経験から、筋ジストロフィー病棟の患者たちの生活は、進行性の筋力低下に伴い多くの支援を要するようになるベッド上の生活でありなが...

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Published in保健医療社会学論集 Vol. 27; no. 1; pp. 94 - 104
Main Author 石田, 絵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 31.07.2016
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ISSN1343-0203
2189-8642
DOI10.18918/jshms.27.1_94

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Summary:本稿では、筋ジストロフィー病棟で働く看護師の語りに注目して彼らの経験を記述し、その看護師の経験が、患者たちの生活を如何に成り立たせているのかについて探求する。非構成的面接法によって得られたデータを用いて、現象学の思想を手掛かりに分析し、記述した。その結果、看護師の経験から、「患者たちの生きられた経験から学ぶ」、「患者たちとともに習慣を作る」、「経験を更新して、患者たちの新たな可能性を志向する」、「受動的ケアから生まれる能動的ケア」の4つのテーマが導き出された。その看護師の経験から、筋ジストロフィー病棟の患者たちの生活は、進行性の筋力低下に伴い多くの支援を要するようになるベッド上の生活でありながら、看護師たちとの互いを思いやる関係のもと、様々な関わりの中から生み出されたケアによって、患者たちの新たな可能性が志向される開かれた生活であると考えられる。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.27.1_94