中咽頭癌におけるp53の検討

中咽頭癌でのp53分子の異常について, 遺伝子変異, 蛋白発現, および異常蛋白に対する宿主の免疫応答の各側面から検索した.ホルマリン固定パラフィン包埋組織から抽出したDNAを用いてSSCP/direct sequenceを行った結果, エクソン5領域コドン151 (CCC/ProからTCC/Ser) の変異が認められた.p53蛋白発現は15例 (62.0%) に認められ, stage IIIおよびIVでは陽性群は陰性群に比べ5年生存率が有意に低かった.血清p53抗体は40%が陽性を示した.HPV-DNAは7例 (26.9%) に検出され, HPV-DNAの有無とp53蛋白発現は逆相関した....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 11; no. 3; pp. 321 - 327
Main Authors 斉藤, 匡人, 竹井, 慎, 與田, 順一, 山中, 昇, 田村, 真司, 山内, 一真, 高野, 郁晴, 高野, 哲弘, 香川, ゆみ, 廣橋, 良彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 01.06.1999
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.11.321

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Summary:中咽頭癌でのp53分子の異常について, 遺伝子変異, 蛋白発現, および異常蛋白に対する宿主の免疫応答の各側面から検索した.ホルマリン固定パラフィン包埋組織から抽出したDNAを用いてSSCP/direct sequenceを行った結果, エクソン5領域コドン151 (CCC/ProからTCC/Ser) の変異が認められた.p53蛋白発現は15例 (62.0%) に認められ, stage IIIおよびIVでは陽性群は陰性群に比べ5年生存率が有意に低かった.血清p53抗体は40%が陽性を示した.HPV-DNAは7例 (26.9%) に検出され, HPV-DNAの有無とp53蛋白発現は逆相関した.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.11.321