舌根部神経鞘腫の1例

17歳男性の舌根部神経鞘腫を経験した.過去64年間の舌神経鞘腫の報告例について集計し, 以下の結果を得た.1) 10代の女性に多く, 男女比は1: 1.2であった.他部位の神経鞘腫に比べ, 平均年齢は低く, 早期に症状が出現し来院するためと思われた.2) 舌を舌尖, 舌下, 舌背, 舌縁, 舌根部の5つの部に分けると, その発生部位はそれぞれ20%前後と明らかな差はなかった.3) 腫瘍最大径は20~24mmの報告が多かったが, 自験例では約3ヵ月の病悩期間で35mmと比較的発育が急速であったと考えられた.4) 外科的摘出が最善の治療法であり, 自験例も含めて再発の報告例はみられなかった....

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Bibliographic Details
Published in口腔・咽頭科 Vol. 10; no. 3; pp. 387 - 392
Main Authors 谷垣内, 由之, 馬場, 廣太郎, 佐々木, 邦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 01.06.1998
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.10.387

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Summary:17歳男性の舌根部神経鞘腫を経験した.過去64年間の舌神経鞘腫の報告例について集計し, 以下の結果を得た.1) 10代の女性に多く, 男女比は1: 1.2であった.他部位の神経鞘腫に比べ, 平均年齢は低く, 早期に症状が出現し来院するためと思われた.2) 舌を舌尖, 舌下, 舌背, 舌縁, 舌根部の5つの部に分けると, その発生部位はそれぞれ20%前後と明らかな差はなかった.3) 腫瘍最大径は20~24mmの報告が多かったが, 自験例では約3ヵ月の病悩期間で35mmと比較的発育が急速であったと考えられた.4) 外科的摘出が最善の治療法であり, 自験例も含めて再発の報告例はみられなかった.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.10.387