特別支援学校高等部に在籍する軽度知的障害者の職業実習場面における自己呈示 身体の向き・距離と実際の作業場面における職員とのやりとりからの検討

軽度知的障害をもつ特別支援学校高等部男子生徒A、Bの職場実習場面の観察調査を行い、(1)作業中のA、Bの身体の向きと職員の対応・評価の関連、(2)与えられる指示が次々と変化する場面とミスをした場面を、自己呈示という観点から検討した。A、Bからみると、当初は単なる作業行動だったものが、その行動に対する職員の反応を受け、その反応から職員が自分をどうみているか、どれくらいできると思っているのか等の観点から理解し、見た目は最初と同じ行動であっても、職員を意識し選択した自己呈示行動となっていく過程が示された。一方、職員は、A、Bの実習中の作業姿勢や行動は、自分たちとA、Bとの間で形成された結果としてでは...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 50; no. 2; pp. 181 - 191
Main Author 小野, 美和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 2012
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.50.181

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Summary:軽度知的障害をもつ特別支援学校高等部男子生徒A、Bの職場実習場面の観察調査を行い、(1)作業中のA、Bの身体の向きと職員の対応・評価の関連、(2)与えられる指示が次々と変化する場面とミスをした場面を、自己呈示という観点から検討した。A、Bからみると、当初は単なる作業行動だったものが、その行動に対する職員の反応を受け、その反応から職員が自分をどうみているか、どれくらいできると思っているのか等の観点から理解し、見た目は最初と同じ行動であっても、職員を意識し選択した自己呈示行動となっていく過程が示された。一方、職員は、A、Bの実習中の作業姿勢や行動は、自分たちとA、Bとの間で形成された結果としてではなく、A、B本人たちの問題(例えば、彼らの能力、やる気)として捉え、評価をしていることが示された。本研究の結果から、実習時への支援として提案を行った。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.50.181