臨床社会学からみた人間と家族

本稿では, 主体としての家族や人間の変化を論じるにあたって, 家族問題を対象とする。家族問題へのアプローチでは, 臨床社会学の方法を採用する。臨床社会学の基本的特徴は, 7点 (本文参照) に要約することができる。臨床社会学からみた援助・支援の対象としての家族像を不登校の事例でスケッチし, 「家族の変化と人間」という共通テーマに関する結論を, (1) 家族関係の変化, (2) コントロールしすぎることへのリアクション, (3) 「主体的存在」と「被拘束的存在」の折り合いの不安定化, (4) 過剰適応する家族 : 社会化のエージェントとしての自覚と責任, 等の視点から論じた。問題提起として, (...

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Published in家族社会学研究 Vol. 13; no. 2; pp. 41 - 48
Main Author 畠中, 宗一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族社会学会 31.03.2002
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ISSN0916-328X
1883-9290
DOI10.4234/jjoffamilysociology.13.41

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Summary:本稿では, 主体としての家族や人間の変化を論じるにあたって, 家族問題を対象とする。家族問題へのアプローチでは, 臨床社会学の方法を採用する。臨床社会学の基本的特徴は, 7点 (本文参照) に要約することができる。臨床社会学からみた援助・支援の対象としての家族像を不登校の事例でスケッチし, 「家族の変化と人間」という共通テーマに関する結論を, (1) 家族関係の変化, (2) コントロールしすぎることへのリアクション, (3) 「主体的存在」と「被拘束的存在」の折り合いの不安定化, (4) 過剰適応する家族 : 社会化のエージェントとしての自覚と責任, 等の視点から論じた。問題提起として, (1) 家族内コミュニケーションの復権, (2) 課題優先の生き方から育児との折り合いを求めること, (3) 大人と子どもの平等という視点への配慮 (4) 抵抗体としての家族の機能 (プライヴァシー, 人間性など) をどのように発揮するか, 等に言及した。
ISSN:0916-328X
1883-9290
DOI:10.4234/jjoffamilysociology.13.41