肝胆膵診断学の進歩 MRCP (MR Cholangiopancreatography) を中心に

MRCPは非侵襲的に膵胆管像を描出できる画期的な画像診断法であり, 診断的ERCPに代わる新たな検査法として有用性を発揮している. MRCPは, 閉塞部より上流の膵胆道や炎症に伴う滲出液の広がりなど, ERCPでは得られない多くの情報を提供する. そのため, 胆膵疾患に対するより深い理解と, 詳細な病態の把握にもとづく診断および治療計画を可能にし, ERCPによる合併症の減少にも貢献する. また, 外来で簡便かつ安全に施行できるため, 胆膵疾患の早期診断や経過観察にも有用性が高い. また, MRI断層像と組み合わせることにより, さらに精密な診断が可能となる. 今後, 空間分解能の向上とともに...

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Published in順天堂医学 Vol. 45; no. 4; pp. 468 - 473
Main Authors 崔, 仁換, 有山, 嚢, 須山, 正文, 窪川, 良広, 山中, 晃一郎, 中野, 一永
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 22.03.2000
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Summary:MRCPは非侵襲的に膵胆管像を描出できる画期的な画像診断法であり, 診断的ERCPに代わる新たな検査法として有用性を発揮している. MRCPは, 閉塞部より上流の膵胆道や炎症に伴う滲出液の広がりなど, ERCPでは得られない多くの情報を提供する. そのため, 胆膵疾患に対するより深い理解と, 詳細な病態の把握にもとづく診断および治療計画を可能にし, ERCPによる合併症の減少にも貢献する. また, 外来で簡便かつ安全に施行できるため, 胆膵疾患の早期診断や経過観察にも有用性が高い. また, MRI断層像と組み合わせることにより, さらに精密な診断が可能となる. 今後, 空間分解能の向上とともにますます発展, 普及するものと考えられる.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.45.468