構造発生と化学空間図示を結び付けた薬物設計のための統合ツール

本研究では、薬物設計における2つの基本的な手法を紹介する。すなわち、構造発生と化学構造図示化である。構造発生は、リード最適化で利用され、構造ホッピングに有用である。我々は、定量的構造活性相関に基づく構造発生に注目する。すなわち、逆定量的構造活性相関手法である。逆定量的構造活性相関手法の目的は、定量的構造活性相関モデルから生物活性が高いと予測される化学構造を提案することである。化学構造図示化は、リード最適化の別の重要な手法である。化学構造図示化は、合成化合物が化学空間上どこに存在しているかということ、あるいは、どこまで合成を行えばリード最適化が達成できるかを示す良いコンパスとなる。図示化は、複数...

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Published inJournal of Computer Aided Chemistry Vol. 13; pp. 1 - 9
Main Authors 長谷川, 清, 船津, 公人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学会・情報化学部会 2012
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Summary:本研究では、薬物設計における2つの基本的な手法を紹介する。すなわち、構造発生と化学構造図示化である。構造発生は、リード最適化で利用され、構造ホッピングに有用である。我々は、定量的構造活性相関に基づく構造発生に注目する。すなわち、逆定量的構造活性相関手法である。逆定量的構造活性相関手法の目的は、定量的構造活性相関モデルから生物活性が高いと予測される化学構造を提案することである。化学構造図示化は、リード最適化の別の重要な手法である。化学構造図示化は、合成化合物が化学空間上どこに存在しているかということ、あるいは、どこまで合成を行えばリード最適化が達成できるかを示す良いコンパスとなる。図示化は、複数のターゲットタンパク質に対する分子選択性を理解するのにも役立つ。一般に、化合物が複数のターゲットタンパク質に対して生物活性を示すと望ましくない副作用を引き起こす可能性があるので、化学構造図示化は安全性の面からも非常に価値がある。われわれの研究を含めて、2つの基本的な手法である構造発生と化学構造図示化を、それぞれ簡単に総説する。
ISSN:1345-8647
DOI:10.2751/jcac.13.1