口腔・咽頭由来多剤耐性菌MICと生薬製剤
耳鼻咽喉科領域由来の臨床材料より分離された肺炎球菌, 連鎖球菌, インフルエンザ菌を対象とし当帰六黄湯 (TRT), 十全大補湯 (JTT), 補中益気湯 (HET) の併用が抗生剤の最小発育阻止濃度 (MIC) 値に及ぼす影響を検討した. ペニシリナーゼ (PCase) 陽性のインフルエンザ菌に対するペニシリンGのMIC値がTRT, JTT, HETの併用により低下した. また, PCase陽性のH.influenzaeから調製した粗酵素液のPCase活性がJTT>HET>TRTの順でいずれの生薬製剤によっても阻害された. 以上の結果からPCGに対し感受性を増すメカニズムは, 生...
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Published in | 口腔・咽頭科 Vol. 9; no. 2; pp. 321 - 327 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔・咽頭科学会
28.02.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0917-5105 1884-4316 |
DOI | 10.14821/stomatopharyngology1989.9.321 |
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Summary: | 耳鼻咽喉科領域由来の臨床材料より分離された肺炎球菌, 連鎖球菌, インフルエンザ菌を対象とし当帰六黄湯 (TRT), 十全大補湯 (JTT), 補中益気湯 (HET) の併用が抗生剤の最小発育阻止濃度 (MIC) 値に及ぼす影響を検討した. ペニシリナーゼ (PCase) 陽性のインフルエンザ菌に対するペニシリンGのMIC値がTRT, JTT, HETの併用により低下した. また, PCase陽性のH.influenzaeから調製した粗酵素液のPCase活性がJTT>HET>TRTの順でいずれの生薬製剤によっても阻害された. 以上の結果からPCGに対し感受性を増すメカニズムは, 生薬製剤が直接抗菌活性を発揮するのではなく耐性菌におけるPCase活性の阻害作用に基づくことが示唆された. |
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ISSN: | 0917-5105 1884-4316 |
DOI: | 10.14821/stomatopharyngology1989.9.321 |