うつむき姿勢保持に対する温罨法およびマッサージによる苦痛緩和効果 20 歳代健常成人による検討

本研究は,硝子体手術後のうつむき姿勢を想定した体位の保持に伴う苦痛に対する温罨法およびマッサージの効果を検証することを目的とした.  健常成人22名 (21.5±1.8歳) にうつむき姿勢のみ,うつむき姿勢に加え温罨法実施,うつむき姿勢に加えマッサージ実施の3条件を実施した.うつむき姿勢保持は120分間とし,温罨法は開始45分後から肩部に42℃前後のホットパックを30分間,マッサージは開始45分後から肩~背部へかけ10分間実施した.測定項目は気分評価,主観的疼痛,心拍数,自律神経活動指標,皮膚温などとした.  肩部温罨法および頸部から腰部にかけてのマッサージにより,うつむき姿勢による精神的な疲...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 146 - 155
Main Authors 古島, 智恵, 井上, 範江, 長家, 智子, 分島, るり子, 村田, 尚恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2015
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Summary:本研究は,硝子体手術後のうつむき姿勢を想定した体位の保持に伴う苦痛に対する温罨法およびマッサージの効果を検証することを目的とした.  健常成人22名 (21.5±1.8歳) にうつむき姿勢のみ,うつむき姿勢に加え温罨法実施,うつむき姿勢に加えマッサージ実施の3条件を実施した.うつむき姿勢保持は120分間とし,温罨法は開始45分後から肩部に42℃前後のホットパックを30分間,マッサージは開始45分後から肩~背部へかけ10分間実施した.測定項目は気分評価,主観的疼痛,心拍数,自律神経活動指標,皮膚温などとした.  肩部温罨法および頸部から腰部にかけてのマッサージにより,うつむき姿勢による精神的な疲労を抑えられた.温罨法では頸部および肩部の疼痛,マッサージでは頸部・肩部・腰部の疼痛が一時的に軽減することも明らかになった.一方で,うつむき姿勢保持に伴う心拍数および交感神経活動の上昇に対する効果はみられなかった.また,うつむき姿勢保持に伴う皮膚温の低下に対しては,温罨法では直接作用する肩部の皮膚温を上昇させる効果は認められたが,マッサージでは効果は認められなかった.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.14.2_146