改正健康増進法の対応について 全国保健所長会の調査から

目的:受動喫煙の防止を図るため制定された改正健康増進法に基づいて,保健所が実施する受動喫煙対策事業の2019年 7 月時点での実施・準備状況等を明らかにする.方法:全国472カ所の保健所長に対し,2019年 7 月に電子メールにより調査票を送信し,回答を求めた.回答数は,328保健所(回答率69.5%)であった.結果:①第一種施設である保健所が敷地内禁煙で特定屋外喫煙場所を設置していないのは,222保健所(67.8%)であった.②学校で2018年度に一度でもなんらかの喫煙防止対策を行っているのは,226保健所(68.9%)であり,2008年度の同様の調査(実施率80.0%)に比較して減少してい...

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Published in保健医療科学 Vol. 69; no. 2; pp. 130 - 137
Main Authors 揚松, 龍治, 松岡, 太郎, 平野, 公康, 加治, 正行, 藤下, 真奈美, 田中, 英夫, 鈴木, 仁一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立保健医療科学院 29.05.2020
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ISSN1347-6459
2432-0722
DOI10.20683/jniph.69.2_130

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Summary:目的:受動喫煙の防止を図るため制定された改正健康増進法に基づいて,保健所が実施する受動喫煙対策事業の2019年 7 月時点での実施・準備状況等を明らかにする.方法:全国472カ所の保健所長に対し,2019年 7 月に電子メールにより調査票を送信し,回答を求めた.回答数は,328保健所(回答率69.5%)であった.結果:①第一種施設である保健所が敷地内禁煙で特定屋外喫煙場所を設置していないのは,222保健所(67.8%)であった.②学校で2018年度に一度でもなんらかの喫煙防止対策を行っているのは,226保健所(68.9%)であり,2008年度の同様の調査(実施率80.0%)に比較して減少していた.③2018年度に一度でも管内の医療機関での受動喫煙対策の状況把握をしたのは,99保健所(30.2%)で,禁煙治療医療機関の紹介,情報提供をしたのは,199保健所(60.7%)で,それぞれ2008年度の同様な調査(実施率53.9%,88.5%)に比較して減少していた.④第一種施設に対する指導,助言等について,保健所内で担当する部門は,「保健部門」が208保健所(63.4%),「企画・総務部門」が77保健所(23.5%)であり,当保健所で実施しないと回答したのは31保健所(9.5%)であった.⑤2019年 7 月 1 日時点で,第二種施設である飲食店に対する指導・助言等について,保健所内で担当する部門は,「保健部門」が154保健所(47.0%)で,「企画・総務部門」が45保健所(13.7%)であり「未定」と回答したのは100保健所(30.5%)であった.結論:第一種施設である保健所が敷地内禁煙で特定屋外喫煙場所を設置していないのは,222保健所(67.8%)であった.改正健康増進法に基づく第一種施設及び第二種施設である飲食店を対象に受動喫煙対策を保健所内で担当する部門は,「保健部門」と答えた保健所が最も多かった.同法の円滑な施行のために,受動喫煙対策の情報共有が必要であり,全国の保健所における同法に基づく受動喫煙対策の現状と取り組み状況を2020年度以降についても引き続き調査していくことが重要と考える.
ISSN:1347-6459
2432-0722
DOI:10.20683/jniph.69.2_130