あはき教員養成機関に在籍する学生の生成AIに関する意識調査 単純集計からの検討
【目的】本研究の目的は、 学生の生成AIに対する認識および活用経験の実態を明らかにすることである。 そして、 今後の生成AIの教育現場における導入および活用に関する議論を推し進める一助になることを目指す。 【方法】調査対象は全国のあはき教員養成機関に在籍する学生103名である。 調査はGoogle Formを用いて令和5年10月から11月で実施した。 【結果】回答者は57名 (回答率:55.3%) であった。 主な結果を次に示す。 1. 生成AIに対する感想 (印象):生成AIに対して 「期待感」 を持つ学生が比較的多く (38.6%)、 逆に 「抵抗感」 を感じる学生は少数派であった (24...
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Published in | 全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 74; no. 4; pp. 327 - 335 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 全日本鍼灸学会
01.11.2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-9955 1882-661X |
DOI | 10.3777/jjsam.74.327 |
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Summary: | 【目的】本研究の目的は、 学生の生成AIに対する認識および活用経験の実態を明らかにすることである。 そして、 今後の生成AIの教育現場における導入および活用に関する議論を推し進める一助になることを目指す。 【方法】調査対象は全国のあはき教員養成機関に在籍する学生103名である。 調査はGoogle Formを用いて令和5年10月から11月で実施した。 【結果】回答者は57名 (回答率:55.3%) であった。 主な結果を次に示す。 1. 生成AIに対する感想 (印象):生成AIに対して 「期待感」 を持つ学生が比較的多く (38.6%)、 逆に 「抵抗感」 を感じる学生は少数派であった (24.6%)。 2. 生成AIの信頼性、 安全性、 効率化に対する意識:信頼性に関しては 「少し高いと思う」 が42.1%、 「少し低いと思う」 が26.3%と意見が分かれた。 安全性に関しては 「少し低いと思う」 が43.9%と評価が低かった。 3. 教育現場での生成AI活用に対する意見:生成AIの活用に対しては、 「まあ賛成する」 が47.4%で最多であり、 積極的に賛成する学生も21.1%いた。 4. 生成AIの教材としての有用性:生成AIの教材としての有用性については、 「まあ有用と思う」 が45.6%である一方、 「わからない」 が24.6%という結果であった。 5. 学習スキルへの影響:生成AIが 「書く力」 や 「思考力」 に対してネガティブな影響を与えると懸念する学生が多かった一方、 「読む力」 や 「質問力」 にはポジティブな影響を期待する意見が多い。 【考察・結語】本調査から、 学生は生成AIに対して期待感を持ちながらも、 不安や抵抗感を抱いていることが明らかになった。 また、 作業効率化を期待する一方で、 その信頼性や安全に対する懸念を抱いている学生が多いことが示された。 さらに、 教育現場での活用に対する意見は前向きであるが、 学習スキルへの影響については慎重な検討が求められる。 |
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ISSN: | 0285-9955 1882-661X |
DOI: | 10.3777/jjsam.74.327 |