固相マイクロ抽出/ガスクロマトグラフィー/質量分析法による水環境中の水溶性アルコールの定量

固相マイクロ抽出/GC/MSを用いて水質及び底質中の1-プロパノール,2-プロパノール,1-ブタノール,2-ブタノール及び tert-ブタノールの分析法を開発した.水試料は,塩析剤として炭酸カリウムを加え,ファイバーを直接浸して対象物質を抽出し,GC/MS-SIMで測定した.1.0~15μg/lでの添加回収試験結果は,回収率の平均が93.6%,相対標準偏差の平均が11.6%であった.又,検出限界は0.63~4.3μg/lであった.底質試料は精製水を加えて抽出後,水試料と同様に分析した.20μg/kgでの添加回収試験結果は,平均回収率が93.5%であり,相対標準偏差が20.9%であった.検出限界...

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Published in分析化学 Vol. 45; no. 11; pp. 1013 - 1018
Main Authors 岩村, 幸美, 門上, 希和夫, 花田, 喜文, 佐藤, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.11.1996
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.45.1013

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Summary:固相マイクロ抽出/GC/MSを用いて水質及び底質中の1-プロパノール,2-プロパノール,1-ブタノール,2-ブタノール及び tert-ブタノールの分析法を開発した.水試料は,塩析剤として炭酸カリウムを加え,ファイバーを直接浸して対象物質を抽出し,GC/MS-SIMで測定した.1.0~15μg/lでの添加回収試験結果は,回収率の平均が93.6%,相対標準偏差の平均が11.6%であった.又,検出限界は0.63~4.3μg/lであった.底質試料は精製水を加えて抽出後,水試料と同様に分析した.20μg/kgでの添加回収試験結果は,平均回収率が93.5%であり,相対標準偏差が20.9%であった.検出限界は6.9~84μg/lであった.本法により実際の環境試料を分析した結果,海域底質から1-プロパノール及び2-プロパノールが,乾重量当たりそれぞれ140,500μg/kg検出された.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.45.1013