清拭時に温タオルを短時間貼用する効果の検証 皮膚表面温度・角質水分量・ATP 値の変化および主観的評価より

本研究の目的は,清拭時に温タオルを短時間貼用する効果を皮膚表面温度,角質水分量,主観的評価およびATP値の変化から検証することである.調査方法は,準実験デザインとし,健康な男女21名の全員に拭き取り前に温タオルを短時間 (3秒,5秒,7秒) 貼用する清拭と拭き取りのみの清拭を実施し,皮膚表面温度と角質水分量の測定と対象者の主観的評価から有効な貼用時間を決定した.つぎに,健康な男女24名に温タオルを貼用する清拭と貼用しない清拭を実施しATP値を測定して比較した.皮膚表面温度と角質水分量の上昇率および主観的評価から7秒間の貼用が最も有効であったが,ATP値の減少率は貼用あり清拭 (7秒間) と貼用...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 185 - 194
Main Authors 宍戸, 穂, 武田, さちか, 細川, 裕也, 岩切, 夏希, 吉田, 祐子, 矢野, 理香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2015
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Summary:本研究の目的は,清拭時に温タオルを短時間貼用する効果を皮膚表面温度,角質水分量,主観的評価およびATP値の変化から検証することである.調査方法は,準実験デザインとし,健康な男女21名の全員に拭き取り前に温タオルを短時間 (3秒,5秒,7秒) 貼用する清拭と拭き取りのみの清拭を実施し,皮膚表面温度と角質水分量の測定と対象者の主観的評価から有効な貼用時間を決定した.つぎに,健康な男女24名に温タオルを貼用する清拭と貼用しない清拭を実施しATP値を測定して比較した.皮膚表面温度と角質水分量の上昇率および主観的評価から7秒間の貼用が最も有効であったが,ATP値の減少率は貼用あり清拭 (7秒間) と貼用清拭の間に有意差はなかった.7秒間の温タオルの貼用は,清拭実施時間が多少長くなることを考慮しても,身体的 ・ 心理的効果が大きいと考える.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.14.2_185