狭小弁輪を伴う, 高齢者大動脈弁狭窄症に対し, 生体弁(Carpentier Edwards Perimount Magna)による弁置換を施行した1例
「緒言」大動脈弁置換術(Aortic valve replacement(AVR))対象患者の高齢化に伴い, 生体弁使用の頻度はAmerican Heart Association(AHA)の人工弁選択のガイドラインの影響もあり, わが国でも増加傾向である. 生体弁は, 術後概ね3カ月のみで, 抗凝固療法を要しなくなるため, 高齢者の術後のQOLには有益である. しかし, 生体弁は同サイズの機械弁に比べ外径が大きいため, 狭小弁輪の症例に対しては, 最も小さな19mmの生体弁の使用が困難な場合もあり, 弁輪拡大術まで必要となる場合もある. 弁輪拡大術は手術侵襲が増加するため, 特にその過大侵襲...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 57; no. 2; pp. 71 - 74 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2009
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ISSN | 0037-3826 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.57.71 |
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Summary: | 「緒言」大動脈弁置換術(Aortic valve replacement(AVR))対象患者の高齢化に伴い, 生体弁使用の頻度はAmerican Heart Association(AHA)の人工弁選択のガイドラインの影響もあり, わが国でも増加傾向である. 生体弁は, 術後概ね3カ月のみで, 抗凝固療法を要しなくなるため, 高齢者の術後のQOLには有益である. しかし, 生体弁は同サイズの機械弁に比べ外径が大きいため, 狭小弁輪の症例に対しては, 最も小さな19mmの生体弁の使用が困難な場合もあり, 弁輪拡大術まで必要となる場合もある. 弁輪拡大術は手術侵襲が増加するため, 特にその過大侵襲が懸念される. 今回, 我々が使用した, Carpentier Edwards Perimount Magna(CEPM)は従来のCarpentier Edwards Perimount Standard(CEPS)を改良し, より外径を縮小することで, より大きな有効弁口面積を有する生体弁である. 本症例は, 小柄な高齢女性の大動脈弁狭窄症(Aortic valve stenosis(AS))であり, CEPM を用い, 弁輪拡大を要することなく, AVRを施行し, 良好な経過を得たので報告する. |
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ISSN: | 0037-3826 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.57.71 |