高齢者への清拭における有効な温タオルの貼用時間の検討 貼用なし清拭と貼用あり (7,10秒) 清拭との比較

本研究の目的は, 高齢者を対象に, 清拭時の拭き取り前における有効な温タオルの貼用時間を角質水分量, 経表皮水分蒸散量 (TEWL), 皮膚表面温度および主観的評価から検討することである. 調査方法は, 準実験デザインとし, 老人保健施設に入所する高齢者7名 (平均年齢81.6±7.9歳) の片側の前腕内側において, 拭き取り前に温タオルを短時間 (7秒, 10秒) 貼用する清拭と拭き取りのみの清拭を実施し, 角質水分量および経表皮水分蒸散量の測定と対象者の主観的評価から有効な貼用時間を検討した. その結果, 7および10秒間の貼用を取り入れることで, 皮膚表面温度が上昇し, 対象者にあたたか...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 188 - 194
Main Authors 矢野, 理香, 宍戸, 穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2016
Subjects
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.15.2_188

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Summary:本研究の目的は, 高齢者を対象に, 清拭時の拭き取り前における有効な温タオルの貼用時間を角質水分量, 経表皮水分蒸散量 (TEWL), 皮膚表面温度および主観的評価から検討することである. 調査方法は, 準実験デザインとし, 老人保健施設に入所する高齢者7名 (平均年齢81.6±7.9歳) の片側の前腕内側において, 拭き取り前に温タオルを短時間 (7秒, 10秒) 貼用する清拭と拭き取りのみの清拭を実施し, 角質水分量および経表皮水分蒸散量の測定と対象者の主観的評価から有効な貼用時間を検討した. その結果, 7および10秒間の貼用を取り入れることで, 皮膚表面温度が上昇し, 対象者にあたたかさと気持ちよさを提供し, さらに角質水分量が上昇し柔軟性が増すことで, 拭き取りによる摩擦刺激から皮膚を保護できる可能性が考えられた.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.15.2_188