セメントレスTHAの長期成績 X線学的評価,検討
われわれは当教室で1987年より施行しているセメトレス人工股関節(THA)の術後10年以上経過症例の臨床成績,画像所見(Osteolysis, Radiolucent line,大腿骨皮質の変化像,Stress shielding),問題点を検討した.対象は術後10年以上経過観察可能であった症例,および同時期手術を施行し再置換術へ至った症例で,男性12例14関節,女性143例172関節,計155例186関節で,平均手術時年齢は56.4歳であった.また,10年以上観察出来なかった症例については電話アンケートを実施した.JOA scoreは術前50.0点から術後84.1点に改善していた.Kapla...
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Published in | 昭和医学会雑誌 Vol. 69; no. 4; pp. 323 - 337 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
28.08.2009
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Subjects | |
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ISSN | 0037-4342 2185-0976 |
DOI | 10.14930/jsma.69.323 |
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Summary: | われわれは当教室で1987年より施行しているセメトレス人工股関節(THA)の術後10年以上経過症例の臨床成績,画像所見(Osteolysis, Radiolucent line,大腿骨皮質の変化像,Stress shielding),問題点を検討した.対象は術後10年以上経過観察可能であった症例,および同時期手術を施行し再置換術へ至った症例で,男性12例14関節,女性143例172関節,計155例186関節で,平均手術時年齢は56.4歳であった.また,10年以上観察出来なかった症例については電話アンケートを実施した.JOA scoreは術前50.0点から術後84.1点に改善していた.Kaplan-Meier累積生存曲線を用いた生存率はcup側が10年で95.9%,15年で89.9%,stem側は10年で97.9%,15年で94.1%であり当科でのセメント人工股関節の結果と比較し良好な結果であった.用いられた機種はH/Gから始まり,AML,Anatomic,Metasulなどを主に使用したが,それぞれ機種ごとに特徴を認めている.再置換術に至った症例は21例あった.再置換施行例をそれぞれ検討すると患者自身の活動性,年齢,手技の問題,機種自体の問題などが考えられた.ただし,全体の結果からは患者自身の満足感,ADL向上を図ることは達成できた. |
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ISSN: | 0037-4342 2185-0976 |
DOI: | 10.14930/jsma.69.323 |