抽出浮選/吸光光度法による血清中の亜鉛の定量

血清中の亜鉛定量のため,前濃縮法として抽出浮選法の適用を検討した.0.32μgまでのZn(II)を,2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノール-Zn(II)キレートとした後,塩化テトラヘキシルアンモニウムを添加して窒素気泡により浮選し,20mlの試料溶液(pH8.9±0.2)面に浮かべた0.7mlのイソペンチルアルコール-酢酸ブチル混合溶媒中に取り込み,98.2%の回収率で浮選することができた.亜鉛の定量は,取り出した有機相を定容にし,その吸光度を波長556nmで測定して行った.血清に塩酸を加えて加熱後,トリクロロ酢酸で除タンパクした全上澄み...

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Published in分析化学 Vol. 36; no. 11; pp. 745 - 749
Main Authors 小辻, 奎也, 脇屋, 和美, 林, 滋彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.11.1987
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Summary:血清中の亜鉛定量のため,前濃縮法として抽出浮選法の適用を検討した.0.32μgまでのZn(II)を,2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノール-Zn(II)キレートとした後,塩化テトラヘキシルアンモニウムを添加して窒素気泡により浮選し,20mlの試料溶液(pH8.9±0.2)面に浮かべた0.7mlのイソペンチルアルコール-酢酸ブチル混合溶媒中に取り込み,98.2%の回収率で浮選することができた.亜鉛の定量は,取り出した有機相を定容にし,その吸光度を波長556nmで測定して行った.血清に塩酸を加えて加熱後,トリクロロ酢酸で除タンパクした全上澄み液に本法を適用し,0.05~0.1mlの血清中のZnを標準添加法及び検量線法により定量することができた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.36.11_745