大腸術後患者の早期離床 Enhanced Recovery After Surgeryプロトコール適用患者の参加観察から
本研究は,術後患者の離床の状況を明らかにすることを目的に行った事例研究である.術後当日は2時間,翌日から6時間の離床を明示したEnhanced Recovery After Surgeryプロトコールを先駆的に導入する日本,英国の2病院において,プロトコール適用大腸手術患者5名を対象とし,手術当日から術後3日目まで参加観察を行った.その結果,患者が離床してとった行動は,食事を摂る,トイレで排泄をする,同室者 ・ 面会者と交流するなど,12行動に分類された.患者の離床は,【創痛 ・ 悪心 ・ 眩暈がない】【身体を取り巻く管が動作を妨げていない】【起きる必要性を理解している】ことで可能となり,さら...
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Published in | 日本看護技術学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 95 - 102 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護技術学会
20.04.2013
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Subjects | |
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ISSN | 1349-5429 2423-8511 |
DOI | 10.18892/jsnas.12.1_95 |
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Summary: | 本研究は,術後患者の離床の状況を明らかにすることを目的に行った事例研究である.術後当日は2時間,翌日から6時間の離床を明示したEnhanced Recovery After Surgeryプロトコールを先駆的に導入する日本,英国の2病院において,プロトコール適用大腸手術患者5名を対象とし,手術当日から術後3日目まで参加観察を行った.その結果,患者が離床してとった行動は,食事を摂る,トイレで排泄をする,同室者 ・ 面会者と交流するなど,12行動に分類された.患者の離床は,【創痛 ・ 悪心 ・ 眩暈がない】【身体を取り巻く管が動作を妨げていない】【起きる必要性を理解している】ことで可能となり,さらに【起きなければならない状況がある】【起きて過ごすための道具がある】【医療者以外の人とのつながりがある】【ベッド以外の場所がある】時に離床が促進されていた.以上より,術後の早期離床援助は,歩行を促すことばかりではなく,生活行動を通してベッドを離れることや,それらができる環境を整える必要があることが示唆された. |
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ISSN: | 1349-5429 2423-8511 |
DOI: | 10.18892/jsnas.12.1_95 |