ミセル動電クロマトグラフィーにおける擬似固定相としての生合成界面活性剤アルスロファクチンの評価

大腸菌を利用して生合成した界面活性剤アルスロファクチン(AF)についてミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)における擬似固定相としての有用性を検討した.AFと硫酸ドデシルナトリウム(SDS)の混合ミセルを擬似固定相として用いたMEKCにおいて化学構造の異なる化合物群の保持挙動をそれぞれ調べ,Iinear solvation energy relationship (LSER)法による解析を行った.その結果,AF-SDS混合ミセルを擬似固定相とすると,SDSミセルを用いた系に比べて,保持に対する溶質の水素供与性の寄与の増加が見られることを見いだした.又,実際にSDSに対して1/1000程度のA...

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Published in分析化学 Vol. 47; no. 12; pp. 959 - 964
Main Authors 加藤, 尚志, 斎藤, 紘一, 今中, 忠行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.12.1998
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.47.959

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Summary:大腸菌を利用して生合成した界面活性剤アルスロファクチン(AF)についてミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)における擬似固定相としての有用性を検討した.AFと硫酸ドデシルナトリウム(SDS)の混合ミセルを擬似固定相として用いたMEKCにおいて化学構造の異なる化合物群の保持挙動をそれぞれ調べ,Iinear solvation energy relationship (LSER)法による解析を行った.その結果,AF-SDS混合ミセルを擬似固定相とすると,SDSミセルを用いた系に比べて,保持に対する溶質の水素供与性の寄与の増加が見られることを見いだした.又,実際にSDSに対して1/1000程度のAFを存在させることによりフェノール類やアルコール類の保持だけを選択的に増大させることができた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.47.959