アルカリ融解法を用いる土壌中のヨウ素の迅速放射化分析

土壌中に存在する全ヨウ素の簡易で迅速な分析方法を確立した.試料を中性子照射後,131Iを含む高濃度のヨウ素担体溶液を少容量加え,水酸化カリウムと硝酸カリウムの混合融剤で融解する.融成物を水でビーカーに移し,次亜塩素酸ナトリウム溶液で酸化した後,残留物を遠心分離法で除去する.塩酸で酸性として過剰の塩素を除いた後,溶液中のヨウ素を亜硫酸イオンを用いヨウ化物イオンに還元する.塩化パラジウム溶液を加え,ヨウ素をパラジウム塩としてガラス繊維濾紙を用い分離する.分離した試料中の128Iと131Iをγ線スペクトロメトリーにより測定し,131Iによって回収率の補正を行って土壌試料中の全安定ヨウ素量を求めた.本...

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Published in分析化学 Vol. 33; no. 11; pp. 582 - 586
Main Authors 小林, 宏信, 高城, 裕之, 木村, 敏正, 山縣, 登, 岩島, 清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.11.1984
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.33.11_582

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Summary:土壌中に存在する全ヨウ素の簡易で迅速な分析方法を確立した.試料を中性子照射後,131Iを含む高濃度のヨウ素担体溶液を少容量加え,水酸化カリウムと硝酸カリウムの混合融剤で融解する.融成物を水でビーカーに移し,次亜塩素酸ナトリウム溶液で酸化した後,残留物を遠心分離法で除去する.塩酸で酸性として過剰の塩素を除いた後,溶液中のヨウ素を亜硫酸イオンを用いヨウ化物イオンに還元する.塩化パラジウム溶液を加え,ヨウ素をパラジウム塩としてガラス繊維濾紙を用い分離する.分離した試料中の128Iと131Iをγ線スペクトロメトリーにより測定し,131Iによって回収率の補正を行って土壌試料中の全安定ヨウ素量を求めた.本法の定量下限は,約0.1mg kg-1であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.33.11_582