転移性乳癌の分子学的分類と臓器特異性に関する考察 頭蓋骨転移と脳転移を比較して

乳癌は脳神経外科において, 頭蓋骨転移や脳転移が問題となるが, 両者の臨床的, 分子学的特徴は不明点が多い. われわれは, 当施設で摘出術, 病理解析を行った乳癌の頭蓋骨脳転移例を抽出し, 再発までの期間, エストロゲン受容体 (ER), プロゲステロン受容体 (PR), ヒト上皮成長因子受容体2型 (HER2) の発現, Ki-67 indexを解析した. 結果, 頭蓋骨転移例はER/PR陽性, HER2陰性, 長期経過を経て発症し, 脳転移例はER/PR陰性, HER2陽性, 早期発症の傾向にあった. Ki-67 indexは脳転移例のほうが有意に高かった. したがって, 乳癌の頭蓋骨,...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 33; no. 3; pp. 205 - 212
Main Authors 森田, 一矢, 笹川, 泰生, 田中, 慎吾, 中田, 光俊, 中田, 聡子, 阪口, 真希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2024
Subjects
breast cancer
HER2
hormone receptor
Ki-67 index
metastasis
skull
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.33.205

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Summary:乳癌は脳神経外科において, 頭蓋骨転移や脳転移が問題となるが, 両者の臨床的, 分子学的特徴は不明点が多い. われわれは, 当施設で摘出術, 病理解析を行った乳癌の頭蓋骨脳転移例を抽出し, 再発までの期間, エストロゲン受容体 (ER), プロゲステロン受容体 (PR), ヒト上皮成長因子受容体2型 (HER2) の発現, Ki-67 indexを解析した. 結果, 頭蓋骨転移例はER/PR陽性, HER2陰性, 長期経過を経て発症し, 脳転移例はER/PR陰性, HER2陽性, 早期発症の傾向にあった. Ki-67 indexは脳転移例のほうが有意に高かった. したがって, 乳癌の頭蓋骨, 脳転移例は臨床的, 分子学的に異なる可能性が示唆された.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.33.205