固相抽出/微分パルス陽極溶出ボルタンメトリーによる都市河川水の銅(II)錯化容量の解析
都市河川の感潮域水について,オクタデシル基表面修飾シリカゲルカラムを通過させたものと未通過のものについて,金属イオン添加/微分パルス陽極溶出ボルタンメトリー(DPASV)法を用いて,銅(II)イオンに対する錯化容量を測定したところ,ほとんどの試料水について以下の傾向が見られた.滴定時にDPASVの前電解電位を-1.0V vs. SCEとしたときには,カラム通過前の試料では滴定の終点が明りょうに現れたが,カラム通過後の試料では明りょうな終点は見られなかった.一方, DPASVの前電解電位を-0.3V vs. SCEとしたときには,カラム通過前後のいずれにおいても滴定の終点は見られたが,滴定曲線か...
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Published in | 分析化学 Vol. 43; no. 11; pp. 851 - 857 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
05.11.1994
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.43.851 |
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Summary: | 都市河川の感潮域水について,オクタデシル基表面修飾シリカゲルカラムを通過させたものと未通過のものについて,金属イオン添加/微分パルス陽極溶出ボルタンメトリー(DPASV)法を用いて,銅(II)イオンに対する錯化容量を測定したところ,ほとんどの試料水について以下の傾向が見られた.滴定時にDPASVの前電解電位を-1.0V vs. SCEとしたときには,カラム通過前の試料では滴定の終点が明りょうに現れたが,カラム通過後の試料では明りょうな終点は見られなかった.一方, DPASVの前電解電位を-0.3V vs. SCEとしたときには,カラム通過前後のいずれにおいても滴定の終点は見られたが,滴定曲線から求めた錯化容量はカラムを通過させることによって減少した.以上のことから,この河川では,錯化容量のうち電気化学的に不活性な特性を持つ部分は,主として疎水性の大きな有機配位子が担っていると推定された. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.43.851 |