破裂前交通動脈瘤の認知障害の特徴 穿通枝損傷の重要性
破裂前交通動脈瘤44例の脳損傷部位が記憶障害, 注意障害, 複職などの転帰に与える影響を検討した. 記憶障害は88.6%で認め, 復職は50%であった. 前脳基底部の損傷は84.1%で認め, 36.3%は半球間裂血腫によるもの, 47.7%は手術時の穿通枝損傷によるものであった. 前脳基底部損傷により認知障害は重度となり転帰は悪化した. 直回と眼窩回, 尾状核頭の損傷は転帰に影響を与えなかった. 重度記憶障害に対しては前脳基底部損傷, pterional approachが独立した悪化因子であった. 前脳基底部損傷により認知障害は重度となり, 転帰は悪化した....
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 3; pp. 183 - 190 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
2023
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Subjects | |
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ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.32.183 |
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Summary: | 破裂前交通動脈瘤44例の脳損傷部位が記憶障害, 注意障害, 複職などの転帰に与える影響を検討した. 記憶障害は88.6%で認め, 復職は50%であった. 前脳基底部の損傷は84.1%で認め, 36.3%は半球間裂血腫によるもの, 47.7%は手術時の穿通枝損傷によるものであった. 前脳基底部損傷により認知障害は重度となり転帰は悪化した. 直回と眼窩回, 尾状核頭の損傷は転帰に影響を与えなかった. 重度記憶障害に対しては前脳基底部損傷, pterional approachが独立した悪化因子であった. 前脳基底部損傷により認知障害は重度となり, 転帰は悪化した. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.32.183 |