腰椎すべり症の手術 除圧か固定か

腰椎すべり症に対する外科的治療として除圧術と固定術のどちらが優れているのかは以前より議論されてきた. 不安定性の程度によって大まかなコンセンサスは得られているものの, 高いエビデンスレベルの比較研究は少ない. さまざまな手術支援機器の開発や, 椎体間へ至る経路の開発によって, 固定術・除圧術ともに, より低侵襲で再現性の高い手術方法へトレンドは変化している. すべり症の治療においては神経学的所見と画像所見はいずれも動態を加味した評価が必要で, さらに患者の年齢や活動性, 骨質を考慮する必要がある. 神経除圧, 固定性, アライメント矯正のなにを目指すか, 個々の症例の病態を理解し, 適切な手術...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 33; no. 6; pp. 389 - 397
Main Authors 福田, 美雪, 小原, 次郎, 佐々木, 伸洋, 豊嶋, 敦彦, 黒田, 昌之, 上田, 茂雄, 大塚, 宗廣, 寳子丸, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2024
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.33.389

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Summary:腰椎すべり症に対する外科的治療として除圧術と固定術のどちらが優れているのかは以前より議論されてきた. 不安定性の程度によって大まかなコンセンサスは得られているものの, 高いエビデンスレベルの比較研究は少ない. さまざまな手術支援機器の開発や, 椎体間へ至る経路の開発によって, 固定術・除圧術ともに, より低侵襲で再現性の高い手術方法へトレンドは変化している. すべり症の治療においては神経学的所見と画像所見はいずれも動態を加味した評価が必要で, さらに患者の年齢や活動性, 骨質を考慮する必要がある. 神経除圧, 固定性, アライメント矯正のなにを目指すか, 個々の症例の病態を理解し, 適切な手術方法を検討する.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.33.389