繁殖農場における低産次の低生涯生産性母豚は繁殖障害により淘汰された
本研究は,高繁殖生産性農場(High農場)と普通繁殖生産性農場(Ordinary農場)間で,低生涯生産性を示す母豚(LE母豚)の淘汰産次と淘汰理由の頻度分布割合,産次ごとの繁殖成績を比較することにより,LE母豚の淘汰パターンを特徴付けることを目的とした。本研究では,101農場における2001—2003年に導入された30,914頭の母豚を分析に用いた。母豚は,年間化生涯生存産子数の下位25パーセントタイルを基に,LE母豚と普通生涯生産性母豚の2グループに分類された。また,農場は年間種付け雌豚あたり離乳子豚数の上位25パーセントタイルを用いて,High農場とOrdinary農場の2グループに分類し...
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Published in | 獣医疫学雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 46 - 51 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
獣医疫学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1343-2583 1881-2562 |
DOI | 10.2743/jve.16.46 |
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Summary: | 本研究は,高繁殖生産性農場(High農場)と普通繁殖生産性農場(Ordinary農場)間で,低生涯生産性を示す母豚(LE母豚)の淘汰産次と淘汰理由の頻度分布割合,産次ごとの繁殖成績を比較することにより,LE母豚の淘汰パターンを特徴付けることを目的とした。本研究では,101農場における2001—2003年に導入された30,914頭の母豚を分析に用いた。母豚は,年間化生涯生存産子数の下位25パーセントタイルを基に,LE母豚と普通生涯生産性母豚の2グループに分類された。また,農場は年間種付け雌豚あたり離乳子豚数の上位25パーセントタイルを用いて,High農場とOrdinary農場の2グループに分類した。農場グループ間での淘汰産次と淘汰理由の頻度分布割合(%)の比較に,カイ自乗検定を用いた。統計分析には混合効果モデルを用いた。High農場のLE母豚は,Ordinary農場のLE母豚よりも,"繁殖障害"により産次1(54.0 vs. 41.5%)と産次2(61.2 vs. 42.2%)で多く淘汰された。どの産次グループにおいても,"繁殖障害"で淘汰されたLE母豚の生存産子数に,農場グループ間で差はみられなかった。結論して,High農場はOrdinary農場よりも,産次1と2において積極的にLE母豚を "繁殖障害"で淘汰していた。 |
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ISSN: | 1343-2583 1881-2562 |
DOI: | 10.2743/jve.16.46 |