共生学会第1回大会の企図 大会運営から考える共生の課題
共生学会第1回大会は、2023年3月21日に立正大学を会場にして開 催された。本稿は大会担当を務めた 3 人の理事の観点から、開催までの経 緯、大会プログラムの内容とその編成意図、大会運営の理念および試行錯 誤の点を記録するものである。併せて、学会大会自体を共生の営為と捉え た際に課題となった点について考察した。この大会の最も重要な意義は、多くの会員が初めて直接に出会い、新たな関係性や対話を生み出す場となることにあった。研究や実践の交流のためには、「自由論題報告」と「ラウンドテーブル」のカテゴリが設けられた。とりわけ後者は、会員間にすでにある活動の共通性や思考の関係性を基礎として、その輪を広く...
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Published in | 共生学研究 Vol. 1; pp. 32 - 44 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
共生学会
31.03.2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2759-2782 |
DOI | 10.60403/kyoseigakukenkyu.1.0_32 |
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Summary: | 共生学会第1回大会は、2023年3月21日に立正大学を会場にして開 催された。本稿は大会担当を務めた 3 人の理事の観点から、開催までの経 緯、大会プログラムの内容とその編成意図、大会運営の理念および試行錯 誤の点を記録するものである。併せて、学会大会自体を共生の営為と捉え た際に課題となった点について考察した。この大会の最も重要な意義は、多くの会員が初めて直接に出会い、新たな関係性や対話を生み出す場となることにあった。研究や実践の交流のためには、「自由論題報告」と「ラウンドテーブル」のカテゴリが設けられた。とりわけ後者は、会員間にすでにある活動の共通性や思考の関係性を基礎として、その輪を広く学会に向けて投げかける場として機能するものとなった。一方、準備・運営に際しては、学会大会に向けて寄せられる多様なニーズに応えることを、限られた時間や資源のなかでいかに徹底できるのかが常に課題となっていた。本稿ではその状況を、「多様性の尊重」と「凝集性の確保」との同時的な達成を志向するものとしての「共生」の観点から振り返り、今後の大会運営において必要となるであろう思考の方途を整理した。 |
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ISSN: | 2759-2782 |
DOI: | 10.60403/kyoseigakukenkyu.1.0_32 |