DPC/PDPS導入による収入構造と診療内容の変化 患者属性と在院日数・医療資源投入量の関係

病院の収入構造の変化は診療内容を変化させ,在院日数・医療資源投入量に影響を与える可能性がある。DPC/PDPS導入による収入構造の変化に着目し,DPC「脳梗塞(JCS 30未満,手術,手術・処置1・2,副傷病)」を対象に,DPC/PDPS導入後の在院日数・医療資源投入量の変化を調査した。また在院日数・医療資源投入量と患者属性の関係の変化を確認するためにパス解析を行った。 DPC/PDPS導入後,在院日数は短縮し,患者の8割以上が特定入院期間を超えない範囲で退院するようになった。また2010年度には診療報酬改定の影響から,2009年度に比べ在院日数が延長した。その結果パス解析において,患者属性の...

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Published in日本医療・病院管理学会誌 Vol. 50; no. 2; pp. 149 - 157
Main Authors 椎野, 優樹, 高橋, 武則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療・病院管理学会 01.04.2013
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Summary:病院の収入構造の変化は診療内容を変化させ,在院日数・医療資源投入量に影響を与える可能性がある。DPC/PDPS導入による収入構造の変化に着目し,DPC「脳梗塞(JCS 30未満,手術,手術・処置1・2,副傷病)」を対象に,DPC/PDPS導入後の在院日数・医療資源投入量の変化を調査した。また在院日数・医療資源投入量と患者属性の関係の変化を確認するためにパス解析を行った。 DPC/PDPS導入後,在院日数は短縮し,患者の8割以上が特定入院期間を超えない範囲で退院するようになった。また2010年度には診療報酬改定の影響から,2009年度に比べ在院日数が延長した。その結果パス解析において,患者属性の在院日数への影響は見られなくなった。医療資源投入量は転院や外来診療との連携により,入院中に重点的に投入される項目とそうでない項目に分けて対応されたことが示唆された。以上から,診療内容は医療機関の利益責任を通じて収入構造の変化に影響を受けることが示唆された。
ISSN:1882-594X
2185-422X
DOI:10.11303/jsha.50.149